JIMALOG

青年海外協力隊2019年度2次隊としてジブチ共和国に料理隊員として派遣されているJIMAちゃんBLOGです。

instagramも日々更新中。アフリカンお料理ストーリー多め。 @cpi56

小説風記録①プロローグ

 

 

プロローグ

 

青年海外協力隊の合格の知らせを受け取って早一年、今はもうジブチ共和国の自分の任地アルタで料理隊員としての活動が始まっていると思うと一年というのは早い。そして新しいことが始まった一年というのは自分の人生の中で印象的な思い出になるのであろう。協力隊に合格してからは予想以上にばたばたとした生活を送っていた。現地派遣の前に日本である70日間の派遣前訓練は充実して面白く儚かった。192人のちに開発途上国35ヶ国に散らばる協力隊候補生が共同生活をするのだ。全力で勉強してご飯を食べ、一緒にお風呂に入り壁一枚向こう側に仲間が寝てて、時にはお酒とともに羽目を外してみたり。社会人経験を何年か積んだ後のこの訓練。大人になってからの勉強も楽しいし、様々な年齢、職種、経験を持った人が集まる。特に開発途上国に二年間行ってやる、って人はそんじょそこらの人より面白くて何より気が合う。多分私もそっち側だったのかなと今となっては思う。2019年11月20日そんな仲間たちともお別れして、つかの間10日間ほどの地元での準備期間をはさみ2019年12月2日、この日に出発する隊員が一番多く、また早めの出発でもありたくさんの仲間たちとともに見送られながら出発した。成田国際空港を21時ごろに出発したエチオピア航空ET673、日本を出発した時はそこまで満席じゃなく、仁川国際空港にていったん給油、たくさんの人が乗ってきていっきに燃料もお客さんも満タン、そしたらノンストップでアディスアベバ国際空港に到着だ。ここでついに2019年2次隊のエチオピア隊、マダガスカル隊、モザンビーク隊ともお別れであとはジブチへの到着を待つのみとなる。

 

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成田空港にて

 

自宅を出発してから約30時間の大移動はとても小さなジブチ国際空港で終わりを告げる。日本は12月冬序盤で長袖必須の環境から、世界一暑い国ジブチ共和国へ。小さなジブチ国際空港では飛行機からそのまま地上に出て歩いてイミグレーションのある建物へ移動する。このスタイルは一気にジブチの暑さを体感できる。ジブチも今は何といっても冬だ。文章を読むだけだと冬なら涼しいのかと思うだろうが、冬だが暑い。汗が噴き出す。首都のジブチは海に囲まれた街なのでじめじめと暑い。イミグレーションもクーラーなどは入っておらず待ち時間がとても暑い。そしてなかなか進まない列。イミグレーションのカウンターも分類分けされているようで、自分が当てはまっているであろう列に並んでいたにも関わらず、列はばらばらにされた。どこに並んでも変わらないようだ。ジブチの適当さを少し実感し始める。そして派遣前訓練で初めて習ったフランス語を使う時が来た。VISAを見せ顔写真を撮られる、ジブチ滞在時の住所や何をするのか。そんな質問が終われば無事入国だ。2019年2次隊のジブチ隊員は私をいれて2人。相方はフランス語堪能なお姉さまだ。助けてもらいつつ先に入国できたので待っているとそこら辺の人から話しかけられる、さっそく結婚しているのかと聞かれたのを覚えている。荷物カウンターは薄暗く、荷物を運んでくれようとする現地人が私たちの荷物を守ってくれていた。しかし事前情報でこの人たちにお願いすると、後からお金を請求されると聞いていたのでNon merciで回避。意味があるのかわからないような荷物検査の機械を通してこれまたとても小さく売店ひとつもない到着フロアを抜けるとやっとジブチ共和国だ。

 

 

ジブチ共和国ときいて思い浮かぶのはなんだろうか。全く何も知らない人からは「なんかジブリみたいで可愛いね」と言われたり、自衛隊の拠点という点を知っている人がいたり、ジブチ共和国に派遣が決まってからいろんな人の反応を見ることができた。共通して言われるのは遠いとこ行ったなぁ。と。

到着出口から出ると、ボランティア調整員さんと現地スタッフの方が迎えてくれた。飛行機は遅れ、入国手続きに手間取っていたので随分お待たせして申し訳ないなあ、と思っていたがジブチに入れば日常茶飯事。みなさん慣れっこである。調整員さんに荷物はこれだけ?と驚かれながらもいそいそと少ない荷物を車に運び入れ汗をかきながら、いざJICA Djibouti事務所へ出発。

 

ジブチ共和国は四国ほどの小さな国、空港からJICA事務所までも海沿いのシエスタ通りを走り抜けて20分ほどで到着だ。最初の一週間はこれからの生活の手続きやミーティングで終わり。そして始まるのは現地で受ける一か月間の語学訓練だ。JICA事務所から語学訓練のある幼稚園まではバスで1時間程度。その行き方を教えてもらうために先輩隊員とのちょっとした遠征もある。語学訓練、ジブチ人の家庭にホームステイ、自分で2泊3日の日程を組んで旅に出るフィールドトリップ。ジブチへの理解が深まるアクション盛りだくさんのはじめの1か月半。

 

私はジブチの首都隊員ではなく、山の上の街アルタというところの地方隊員である。なので首都でしっかり生活するのは配属先赴任までのこの期間が最初で最後。アフリカきっとどの国も首都と地方の差は著しい。ジブチは元フランス領の国、またいろいろな国の軍隊の駐在地となっている国なので予想以上にたくさんの国の人とすれ違う。ジブチで一番大きなショッピングモールに行くと外国人だらけジブチ人はほぼいません。あれはイタリア軍、こっちは中国人商人、あそこには自衛隊の○○さん、などなど。スーパーにはフランスの食材や雑貨がそろっていて日本ではお高いフランスブランドのあんなものやこんなものがちゃっかりいい価格で売っている。もちろんジブチ人は買わないし、地方には日本人がイメージするスーパーは全くない。

 

そんなこんなでジブチでの実地訓練は最後のフィールドトリップを残すのみとなった。フィールドトリップとは自分の力だけで2つの地方をローカルなバスを使って旅行するというアクティビティである。私は先輩地方隊員の生活と活動をのぞくため2人の協力隊が住んでいるディキルと自分がこれから住んでいくアルタを選択してホテルの予約や長距離バスの情報収集を始めた。

 

わくわくどきどき、新しい発見が大好きな私は浮足立っている。

 

 

 

2020/02/05